toyotaidの日記

林住期をタイで過ごしています。ここをベースとした旅を綴ります。

飛行機を使わない旅〜タイから日本まで〜3

423日 雲南・春の雰囲気

 雲南省省都昆明は今度で4回目。1993年、今では世界一の棚田として有名な元陽県での第一回国際ハニ/アカ文化学術シンポジウムに参加するため、昆明空港(旧)に降り立ったのが最初。当時の市内にあった空港は便数も少なく、閑散としており3つのゲートしかなかった。田舎を訪れる未舗装が多く、さらに未開放地域が多く、通常の観光は受け入れない場所が多かった。

 その後、訪れるたびに近代化していく人口300万の昆明に当時の面影はなくなっている。地下鉄を初めとしたインフラも充実し、空港も中国4番目のハブ空港として位置づけられ、南西アジアからの玄関として、多くの国際便が発着している。

 早朝、南バスターミナルにゆっくりと到着した。そして、ラオスの田舎から出てきたばかりの装いのが、大都会の高いビルを眺めながら決めたことは、「今回、昆明は素通りし、四川省成都に向かう」ことだった。夜行のバスに乗ったが思ったより爽快な朝を迎えることができた。昆明駅前の定宿としているゲストハウスもあり、友人もいるが、次回にして先を急ぐ。

 バスターミナルからはいつもの昆明駅ではなく、昆明南駅だ。まずは地下鉄で向かう。通勤時間になっていないのでゆったりと移動。

 成都行きの夜行チケットを買おうとしたら、「高速鉄道を利用すれば、夜までには到着できる」と言われる。成都昆明間は既存の成昆線の快速列車で所要時間が最速17時間かかるのに対し、昨年1月に開業した渝貴線を経由した高速列車では最速6時間弱で両都市を結ぶ。中国でも貧困地帯と言われる貴州省を横切り、長江の内陸港を持ち一大工業地帯の重慶を通るルート。全長1100km,世界でも有数の山岳路線の成昆線の絶景を眺めながら行くという意気ごみは、はやく着いて、宿でゆっくりシャワーを浴び洗濯もしたい」という誘惑に負けてしまった。さっそく、駅構内のATMで中国元を引出し、再びチケット売り場へ。そして、翌日夜遅く出発する成都から西安まで寝台列車のチケットも一括購入。便利になったものだ。外国人には少し壁が高いが移動に関しては中国国内の預金口座があれば、すべてスマートフォンでできるはずだ。さらにウイチャットを使えば、電子マネーQRコードでほとんど店で買い物できる。現金は必要ない。

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列車チケット 2枚購入

 新幹線からの風景、貴州省までは単調だった。ほとんどトンネルの中と言って良い、谷を渡る橋の上からかすかに風景が見えるだけ。カルスト地形、山々にあまり樹木が少ない。雨量の少なさや農地の狭さを感じる。このエリア雲南省と同じくミャオ族など少数民族が多く、中国最貧と言われるが、それでも省都の貴陽に近づくと狭い土地に高層ビルが乱立していた。

 重慶を通過、成都までは豊かな四川盆地に入ると田園風景が車窓いっぱいに広がって来た。針葉樹の濃い緑が眼に入りこみ、ラオス雲南とは違う農村風景を織りなす。日本では当たり前だった光景がなんだか懐かしい。麦の刈り取り、サクラ属の果樹が植えられ、麦の刈り取り、代かきの準備。田んぼには水が張られて日本の春先のようだ。夕方7時、北京から経度12度の差がある成都はまだ明るい。高速鉄道和諧号は定刻通り成都東駅に滑り込んだ。

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成都 定刻到着