toyotaidの日記

林住期をタイで過ごしています。ここをベースとした旅を綴ります。

2023 ウィズコロナの旅は続くよ

その③ 「タビ」の感覚をもう一度

 滞在するタイ。南国と言ってもこの時期、チェンライは寒い。朝晩10℃まで下がる。ヨーロッパ、日本だと、これしきかと笑われるが、暖房器具、冬用衣料が少ないこの地、足腰の血行が鈍くなった身にはすこし辛い。高齢になるのに連れ、寒さを感じるようになる。もう寒い国では住めないかもしれない。症状は痛いというより「足が重い」という説明がわかりやすい。夜中寒くて何度も起きるようになる。マッサージや薬で色々な治療を試みたが、一番は温泉。長時間温めると楽になる。おそらくベースに血行障害があると思う。
 数年前から膝に痛風の症状が出ており、友人達が食べ物や飲み物について色々と教えてくれる。とても貴重なアドバイスだが、意志の弱い私は、「たまには好きなもの食べていいだろう、ビールはその分汗かいているからいいだろう」、という曖昧さと尿酸値を下げる薬を飲まないので、なかなか改善の余地が無い。これらもおそらく静脈の流れが関連していると自分なりの判断している。

世界で一番寒いといわれるシベリア・ヤクーツク 凍土のなかで



 コロナ期間中、この「足の重さ」をなんとかしたいと思ったが、公共温泉も長い間、閉鎖され、温泉治療もできなくなった。幸いにも、22年4月頃からコロナで閉鎖されていた大学プールが再開され、水泳で足腰を鍛えようと週3〜4回のペースで通い、頑張って1キロ泳いでいる。幸いにも足膝の運動だけでなく、有酸素運動によって基本的な体力改善の効果を出し始めた。頻繁に痛みの兆候がでた痛風は、昨年7月に一回のみ、病院のお世話にならず回復した。

 やはり「タビ」をするなら、健康状態、特に足腰の維持は何はさておき最優先。2010年、フランスからスペインまで900キロの「サンティアゴの道」の完歩は、半年前から荷物を背負い、当時滞在したテルアビブの街を毎夜約10キロ歩き、足腰を鍛えた。しかしコロナ世界にどっぷり浸かったこの2年間、そのことをほとんど忘れかけていた。

 11月下旬に入ってから、中国の状況が変化し始めた。政府のゼロコロナ政策を批判する「白紙運動」が国内外で高まった。驚いたことは、ゼロコロナ政策の大幅緩和が急速にスタートした。中国共産党、とりわけ第三期を迎えた習体制がどこまで反体制運動を警戒したかわからないが、こんなに早くゼロからウィズコロナになるとまでは予想しなかった。

 「そろそろタビを再開する準備に取り組む必要あり」。私の頭の中に強い命令のように見える意欲がわき始めた。最も優先するインドから中国までつながるパミール高原を越え、ゴビ砂漠南道に沿って敦煌までの「タビ」の続きは、いつでもスタートできるようにしたい。特にパキスタンから中国新疆ウイグル自治区に通ずる標高4880メートルのクンジュラブ峠を通過できる体力にすることが目標だ。このルートの通過可能時期はせいぜい6月から10月ぐらいだろう(冬季間は通行止め)。自分の肉体年齢を考慮すれば、70歳になってしまう来年、再来年などに持ち越さないほうが良い。今年中に中国入国ビザ取得が可能になることを想定して、とにかく身体と意識のトレーニングを再開。
 師走も押し迫った12月から下準備に取り掛かった。とりあえず、肉体管理。足腰の状況がこれ以上悪くならないためには、これまでいい加減だったタバコを完全に断った。そして、タビの感覚を取り戻すために、荷物を背負って、近隣国へのトレーニング旅行。カンボジア、シエムリアップ。アンコール遺跡群を歩く5日間の旅の準備に入った。

 中国は、「1月8日に、国境を開放、入国後の隔離措置を撤廃する」と報じた。残念ながら、観光ビザの発給はないのでいつでも入国できる段階まではなっていないが、とりあえず前進。いずれにせよ、ウィズコロナでのタビに向けて、活動を再開した。

スペイン・サンチアゴ 900キロを歩き終え、大聖堂の前で