toyotaidの日記

林住期をタイで過ごしています。ここをベースとした旅を綴ります。

2023 アフターコロナの旅は続くよ(準備編その②)

古希を迎える8月4日から出発する。タビの準備。そんなに早くからと思っていたが、色々とやることがあり、なかなか大変なのよ。
まあ、しっかり準備すれば、事前の問題解決につながるし、タビへの意欲を大いに湧き立て、身体を動かそうとするのだ。

ビザに一苦労。

 前回も書いたが、国を越えるというのは、時には簡単だが、時には厳しい。今回のタビでは3国のビザが必要。中国とインドはなんとか取得できたが、パキスタンが引っ掛かった。3国の中では、ビザ発給価格8ドルという極端に安い。更にオンラインで申請、取得ができる。「なんて親切な国なの」と思っていたが、申請から10日後に以下のようなメールが来た。
「観光ビザに発給あたり、確認したいことがあるので、次週月曜日、バンコクパキスタンが大使館に出頭してください」とのこと。パキスタンビザの申請項目確認は、申請者の居住地の大使館が審査するらしい。よって、私の審査はタイにあるパキスタン大使館となる。イスラマバードにあるオンラインビザ申請セクションのコンピューターが、どうやら「要確認」と判断したようで、「インタビューをしたい」とのメールが2週間後に届いた。
 ここはお上に従うしかない。従わないと「ビザ申請は無かったことになる」と追記してある。これは命令書だな。といってもここからバンコクまでは800キロと離れている。飛行機の往復チケットとバンコクの宿を手配する。たかだか8ドル程度のビザと思ったが、出費は100ドル以上になる。まあ昔は、大使館に赴き申請や受取したことを考えれば、これしきの出費は「マイペンライタイ語でノープロブレム)」。
インタビューの内容は、陸路での出入国(インド国境から入り中国国境で出国)の確認やタイに長く住んでいる理由、なんのためにこんなタビをするのかを聞かれた。まあそこそこ想定していた質問だが、とりわけインドとパキスタンが両国が直接国境を接する「アタリ(インド)ーワガ(パキ)」の陸路移動の詳細を聞かれた。さらに日本の家族のことやタイでの生活など聞かれる。「観光ビザにこんなこと関係ないじゃない」と思いながら適当に答えた。結果的には、担当者から「イスラマバードパキスタン外務書)が発行するので、もう一度コンピューターにアクセスして、再申請のボタンを押してくれ」と説明を受けた。インタビューから一週間後、最初の申請から換算すると22日後に発給された。3つ国を横断するタビなので、一つが出なくなると移動コースに困難が生じる。パキスタンのOKがでないとなると、インドから陸路で中国に入るには、ネパールを通り、チベットに行くしか無い。これはかなりハードルが高いし、仏教伝来の道とは程遠い。いつ来るかわからないパキスタンビザを待ちながら、「今夏はタビを諦めるように神が言っているのかもと」弱気な気持ちが時々顔をのぞかせてくる。

パキスタンのオンラインビザ

ビザ申請をしながら思ったこと。

1)自己申請する場合、「本気になって、真面目に対応しないこと」。生真面目な日本人にはわかりにくいが、ビザを受領するためには「嘘も方便」が必要だろうと。たかだか観光ビザにいちいち眼を光らせる国は少ないはずだ。だから問題が起きないような申請書の書き方もある。個人でビザを申請するには、こうした嘘の添付書類が必要となる。本来の中国の入国地は、新疆ウイグル自治区タクシュクルガン。パキスタンとの国境。入国場所をまともに書くとそれこそ要注意になるし、まして飛行機便も無い。ここは嘘も方便しかない」、入国先は「雲南省昆明」とした。

2)書類の揃え方もある。例えば、中国の観光ビザ申請には最低、予約済みのチケットや滞在中のホテルなどの書類が必要となる。通常、「ビザが出るかどうかもわからないのに、チケットも買えないし、宿も予約できない」と考える。そしてビザ発給の担当者にそのことをいくら説明しても、担当者は受け付けないだろう。飛行機チケットは予約して、キャンセルできる飛行機会社を探し、予約する。支払いは後日にできることが原則だ。宿泊確認書は、Booking.comで予約。後日キャンセルすれば良い。宿泊書はキャンセル料がいらないところが多く簡単だが飛行機チケットは少し探す必要がある。両方の予約確認書をプリントアウト。ビザ申請書に添付して提出すれば良い。

 最初は、開通したばかりの中国ラオス鉄道での入国で書類を作成しようとしたが、チケットは乗車3日前、ラオスでないと購入できないと言われた。そしてキャンセルが難しい理由から断念。チェンマイ昆明間のニセ飛行機予約書にした。書類代行屋を兼ねる旅行代理店もこうした方法を知っているからいとも簡単にビザを取るし、それが代書屋商売のコツだ。
 所詮、ビザとはそんな性格のもので、取得後、有効期間内であれば、ほとんどの国境から入れる。一方、受入国もいくらビザを持っていても、気に入らなければ入国後に捕まえることもできる。滞在中の行動をすべて保証してくれる保証書では無い。ただの入場券にすぎない。

 中国のビザ申請に細かい注意をはらった割に、僕のパキスタンのビサ申請では、そうした配慮が少し足りなかったようだった。調査インタビューを受けることになった。例えば、入出国地をイスラマバード空港とし、10日間程度の有名観光地でのホテル予約すればおそらく問題なかったに違いない。怪しげな匂いのする「Journey」ではなく「Travel」の書類にしたほうが観光ビザは出やすかったはずだ。たくさんお金を落としてくれる快適な旅行より、辺地に一人で向かうタビをする者は要注意と、考える国が多いのが当たり前かもしれない。

 

必要なモノとは?

 

 チケットやビザのような準備だけでなく、これからの新しい出会いに向けて、情報集めや必要携行品の選別を始める。「今やらなと・・・」古希を迎えるという気持ちも準備を後押しをする。
 と言っても「これがあったら便利とか役立つ」、といったタビの携行品や道具を増やしたら本末転倒。荷物の重さで動けなくなる結末を見る。
30日間900キロを徒歩で歩いたスペインの巡礼路「サンティアゴの道」で経験したことが、今も役立っている。背負う荷物は体重の10%まで。私の場合7キロだが、負担を減らすためには今回は6キロがマックスだろう。「必要な」と「欲しい」荷物を線引する。

衣類、道具類は「昨日、今日、明日」すなわち3日間で一度は利用する可能性が高いものが必要品。軽い薬類も痛み止めなど緊急対応できるものを数日分用意する。特に標高5000メートルになる中国・パキ国境のクンジュラブ峠は要注意。高山病予防薬がいるかもしれないが、いざとなれば現地で調達すれば良い。

紙、とりわけ本類は重たい荷物なので一切持たない。タビの間にゆっくり読書などと考えない。一人旅は毎日やることがたくさんあるので、タビが終わってから読んだほうが良い。体力がなくなったが、林住期の僕には自由な時間はたくさんある。

最近のタビの特徴として、スマホが重宝する時代となっている。ただし中国はGoogle系のアプリが使えないので、こういう機会に代用アプリをインストールする。地図アプリはやぱり必要だ。グーグルマップは中国では使えないのでインターネットが無いときでも使えるMapsme や百度地図。それからもう一つ準備しなければならないと予想しているのが、Ali Payのアプリだ。中国が現金を受け付けない社会になり始めているのは5年前のタビで感じた。ホテルや大きな商店ではクレジットカードが代用できたが、僕がよく使う市場の商店や小さな食堂ではカードは使えなかった。そうすると現金を出すが、お釣りがないとかブツブツ言われ、時には受け取らないことがあり、キャッシュレス社会を感じた。あれから5年。今はタイでも多くの若者が、スマートフォン決済をしている。僕も一応、持っているが・・。友人の話では、中国はすでにタイ以上の利用率らしい。ボッタクリを受けたり、外個人価格を請求されることは少なくなるかもしれないが、やはり長く現金社会を慣れ親しんだ世代にとっては、買い物等にいささか不安もある。一方、彼の地の同年代の年寄りたちはどうのように対応しているのだろう。それも見のも楽しみだ。
 インド、パキスタンでは交通移動関係のアプリもいれて置きたい。いつもバスや列車の予約で苦労したし、とっても親切な人々に連れ回され、ときには高いチケットを買わされた経験からすると、やぱり「あったほうが良い」品物と思っている。古希を迎え、足腰のためには有効性を発揮するだろう。ただし、なければなくても良いかもしれない。チケット購入のために一日、時間を使えば良いだけだから。