toyotaidの日記

林住期をタイで過ごしています。ここをベースとした旅を綴ります。

2023 古稀のバックパッカー ①タビの始まり

      

 満年齢で69歳、数え年では70歳。世間一般では「古稀」と呼ぶ。固定概念が強い人、とりわけ同じ世代に生きる友人たちにとっては、僕のタビは稀有に思えるかもしれない。

 誕生日の夜、タイ最北部、チェンライの空港に7キロのバックパックを抱え足を運んだ。明日、ニューデリーまで飛び、これから、ガンダーラの地、インド、パキスタンを経由し、世界の屋根、パミール高原を越えて、中国のシルクロード西安長安)まで行く。その後雲南省に下り、ラオスを通って、メコン川を越え、再びチェンラエイの自宅まで帰ってくるのが今回の僕の計画。

 タビの始まりという意識が高揚し、僕はバンコク行きの飛行機の席に身体を埋めたが、頭の中は、不安や心配が駆け巡り、寝付かれない。農場に住む五匹の犬や魚、そして栽培している植物との別れも気になる。

 3年前、ブッダガヤから始まりインド・ナガランド、ミャンマーを横断し、チェンライまで陸路を歩いた。インパールの道でもあった。そしてもう一つ、5年前には、チェンライからラオス、中国国内を陸路で移動、北朝鮮国境の丹東からフェリーでインチョンにわたり、関釜フェリーで日本に渡った。陸路で日本へ帰った。

 コロナが終わり、再び自分の足で歩くことが可能になった。インドからガンダーラシルクロードへの仏教伝来の道につなげたいというのが、今回の目的だった。ブッダガヤからガンダーラ。2200年前に西洋(ギリシャ)と交わり仏像が生まれ、仏教はパミール高原を越え、シルクロードを通り、日本まで繋がった。遺跡を訪れ、自然環境、そこで暮らす人々の生活価値に触れてみたい。刹那的に今を生きるのではなく、過去の人達が苦しみ、守ってきた価値観を知りたい、タビは古稀になった自分への挑戦でもあった。

続く インド編、パキスタン、中国新疆編